道場の雰囲気

仕事帰りの人が多いので刀、六尺棒、杖などなどの古武器は稽古中は貸し出しています。
シーズンによっては海外支部からの出稽古が多くなり、半分が外国人という事も少なくありません。 女性もいます。
基本的に程よい心的距離を取りながら、上下関係も無く(ただし、著しく礼を失している人には注意をします)、先輩達が初心者をさりげなくフォローしています。常識的なお弟子さん達が多い、良い人間関係の道場だと思います。体術稽古はお互いの身体的間合いを感じて適切に捌く(さばく)稽古でもあります。それが良い人間関係の稽古になっているように思います。
厳しいなかでも、時々笑いも出る、和やかな雰囲気で稽古を行っています。
道着について
武神館の稽古着は通常は黒~濃紺の道着、黒い岡足袋または足袋靴下(外での稽古のときは地下足袋)、まだ初段になっていない者は緑帯(海外では女性に限り赤帯を許しているところもあるようです)、初段以降は黒帯です。帯は色帯と黒帯しか区別が基本的にはありません。
手塚道場では初回までに購入という形ではなく、数回はジャージなどで稽古に参加して、その間に周囲の稽古生のサイズとメーカーを見て、自分に合ったものを探していただき、ご自身の時期の都合に合わせてご準備いただいています。購入後に、サイズや素材がイメージと違ってしまい、道着が無駄になるのを避けるためです。
また、会社員の門下生のなかには、会社に、かさばる道着を持っていけない事情の者もおり、そういう場合はずっと、帯以外は簡易な服装で稽古に参加をしています。(帯は武器術の稽古に必要なため、必ず早い段階で準備いただいています)
学生の仲間もいるので、稽古にはじめるにあたっては、できるだけ負担の少ないことを考えています。しかしながら、値段が高めの道着も、その分質がよく長持ちしますし、『これだけ高くていいのを買ったのだから、しっかり頑張ろう』という気持ちや、いいものを身につけることによる自信など、稽古に良い影響が出ることもあるでしょう。色々考えて、ご自身に合ったものを選んでいただいてよいと思います。
ところで、黒道着にいったんなってしまうと、不思議と俗世の肩書きとか実年齢は消え、わかるのは本人の魅力だけとなるのです。道場で周囲を見回すといつもそれをひしひしと感じます。道着を着、帯を締めると気が引き締まるのはもちろんですが、しっかり自分自身を磨き、精進しようと思えます。
また、道着になると誰が年上で年下なのかよくわからないので、とりあえず全員がお互い、丁寧語で話しています。それがとても、道場内のお互いのいい距離感や和やかな雰囲気につながっているような気がします。
よく質問されますが、覆面については、普段は誰もしていません。
ほどよい人間の距離感と自分のペースで通えます
緊張すると動きが悪くなりますし、リラックスは当流の技にも大切な心の状態です。そういうこともあり稽古中、危険な事や人間的な倫理に反する事以外で道場長が厳しく対応することはありません。忘年会や新年会などはありますが、強制では無く、希望者のみです。流派に関わる場所に一緒に旅行に行くこともありますが参加は任意です。師弟、お弟子さん同士、常識ある社会人同士、人間同士ですので、つかず離れず、適切な距離を保ち、道場の日に場に集まってくるという形です。何かのイベントのチケットや物販物を購入して頂く事もありません。
都度払いなので、いつでも来ていいですし(ただし年度をまたぐとスポーツ保険に再度加入が必要です。)、長くお休みしていただいても特に何も問題はありません。毎週通う事を強制もしませんし、久しぶりでも「元気で良かった」というぐらいです。今のところお休みの最長記録は10年。転勤から戻ってきて復帰された方もいます。ただ、毎週通ってきている人はやはり上達が早く、実力がつき、昇段もどんどんなさいます。努力は必ず評価します。